風俗嬢から派遣社員へ転身part1(鬱気味風俗嬢Mの今夜も眠れない)
大阪に戻ってきた
私は2年ぶりに実家暮らしになった
大学生だった弟も3月になり
大学院を卒業した
就職も決まり弟は東京で一人暮らしに
なった
戻ってきてすぐ
弟は、バイクも売り
引越しの準備も終わらしていた
そして
弟の旅立ちの日がやってきた
平日なので
父親抜きの母親と私で
見送りに行った
車を出ると
またね!
そう言うと
ゆっくり駅の中に
消えていった
すると
消えると同時に
ポロポロと母親は泣き出した
弟の旅立ちが寂しいのだろうと
ハンカチを手渡した
家に帰ったあとは
弟の部屋を見るとからっぽにほとんど
なっていた
なんとなく変な気持ちになった
夜は父親が帰ってきて久々に
3人で食事をして
珍しくみんなでお酒を飲んだ
飲んでいたら
私は、ちゃすかのように
今日な、
弟送りに行ったらさ
いなくなった瞬間
ぎゃーて泣き出したんやで
びっくりしたわ!
そう言うと
母親はまた泣き出した
だってな
ずっと小さい頃から
育てて来たんやで
あんなに小さかったあの子が
あんなに成長して
1人で出ていってん
しかも一人暮らしなんてさせた事ないで
いままでずっと一緒におって
あなたが入院してるときも
助けてくれてたんや
あなたが一人暮らしのときも
どーしたらええんかな?
言うたらなんでもそうだんのってくれてん
だけど、
1つ嬉しいことがあった
あんたが家に帰ってきたこと
弟は旅立ったけど
その代わりあんたが帰ってきた
これからお父さんと二人やったら
ご飯をどう少なく作ったらええか
わからんかったし
お父さんとココ最近はケンカして
ばかりやったから
どうやって生活したらええか
わからんかってん
そしてこれから子供2人とも仕事につくことになる
なんてうれしいことなんや
子はかすがいや
おばあちゃんも喜んでるで
んでなんでな
子供のように話していた母親は
酔っていた
だから
寝かしつけると
下に戻ってきて
父親とお酒を飲んだ
父親は
よう帰ってきた
ほんまによう帰ってきた
そして
よう仕事を辞めたな
ほんまお父さんうれしいで
いままで
お父さんは殴ったりもしたけど
どーしても
病気もうけいれられなかってん
もっと教育し直さなあかんって
思ってん
ごめんなごめんな
と
頭をなでてくれた
私は、涙が出てきた
ほんでな
ここは、お前の家やからな
いーっしょうお前の家や
ずっとここにいてな
ずっと3人で生活しよな!
そう言われると涙がでて
1本タバコを吸って
眠りについた
1年前から
眠剤は、処方されなくなり
私は薬を飲まずに
寝床についた